アイザー125Fの開発話

ルアー解説

2020年の年末。

当時はまだ開発中だったフリッド90s。

方向性として外洋での使用にフューチャーすべきか…もしくは…

といった感じで、フリッド90sはフリッド90sとしてどうあるべきか着地点を間違えないように試行錯誤していたタイミングに名もなきシャローランナーのプロトが手元に届いた。

当時はまだ皆様が知ってる名もなきシャローランナー…いや、アイザー125Fとは全く違う形をしていた。

なんだか口元は百合の花みたいにパカッと開いていて、後方に向かうにつれてそのままストンッと絞られていくようなフォルム。

少しコモモやウルングマを彷彿とさせるシルエットだった

見るからにシャローランナーで、アクションを確認しなくてもサイズ感やレンジ感からホームでの使い所はすぐにわかった。

そしてうまい具合にアイザー125Fが届いた日は、数年前にコモモが凄まじく活躍したゴロタシャローのエソパターンシーズン。

「ちょっとあそこで投げ込んでみるか…」

結果はすぐに出た。

魚は出る…出るんだけど…
シャロー帯のマイクロを食ってるエソを食ってる鱸という小さな食物連鎖

他にも魚はたくさん出せた。

出せたけれど使用感としてはアクションが弱く、流れの変化に対してレスポンスが鈍かった。

流れの中で美味しいタイミングがないというか…

シャローランナーの主戦場はやはり河川がメインになってくるから、アングラーが操作しなくてもルアーが流れを自発的に利用する性能は欲しかった。

そして泳ぐ姿勢はめちゃくちゃ良いのだけど、流れの中でたまに頭が持ち上がるタイミングがあるからレンジキープが難しかった。

更に、もっと立ち上がりとスロー域が欲しかった。

簡単に言うと、あまり動いていない感じだった。

私も含めたテスター陣が各々フィードバックを済ませて時は過ぎ…

2021年の春頃。

アイザー125Fが姿を変えて帰ってきた。

この時に皆様が知ってるアイザー125Fの形となった。

工場長が改良した新しいプロトは飛距離はもちろん、立ち上がりや流れへの反応などがとても良くなっていた。

特筆すべきは、流れの中で美味しいタイミングを素通りしない性能。

春先は春先でシャローエリアが実績場。

投げに投げて、釣りに釣った。

釣れば釣る程に好きになった。

気になったのは飛行中に頭を振る事がある事と、3番フックを使用した時に絡みがある事。

頻繁には起こらないし、標準フックでもないけれど3番が使えるだけに気になる所だった

3番が標準フックとはならないと思うけれど、アイの位置があと1mm離れれば絡みが無くなるから一応報告。

使い所によっては3番フックも安心感を担保する意味ではありだから。

それから改良は進み再度レンジ感の調整が始まる。

アイの位置を微妙に変えつつ良い所を探す。

少し話は脱線するけど、昔ニルバーナというルアーでアイの位置が変わるとレンジやアクションが変わる事を学んだ事を思い出した。

ルアーの楽しさを知れるルアー

突き詰めると一つのボディで複数のアイを持つ事は、どっちかが疎かになる。

だけど、それを加味した上でこんな遊び心があるルアーが好きだった。

ボディにケミホタルを入れて使うミノーとかね。

ケミホタル入れたら絶対目立つやん!ってワクワクさせてくれたルアー

話は戻してアイザー125Fについて。

このあたりから、自分の好みとシャローランナーとしての着地点に距離感を感じるようになった。

そもそもが、私の好みなんかは開発に全く関係ないのだけど一つ前のプロトがすごく良かったから戸惑った。

結果、アイザー125Fはアイザー125Fとして世に出るとして、いずれ地磯特化シャローランナーとして工場長が開発してくれるだろうと自分を言い聞かせる事に。

それから更に微調整は進み、毎度恒例のタイプA.B.Cの認識と比較。

全国のテスター陣がしっかり投げ込み、実績をつくりつつテストの反復。

都度、各々がしっかりとフィードバックしやっと目指す着地点となった。

そんなアイザー125Fは春頃にリリース予定との事。

ニーズがあるだけに期待値も高いジャンル。

ブルーブルーはそこを超えるつもりでアイザー125Fを皆様にお届けすると思います。

あとは初回生産量で悩んでいるんじゃないのかな?笑

メーカーとユーザーの架け橋であるテスターとして、あえてユーザー目線で言っておきたい。

できるだけ多く作って、出来るだけ多くユーザーに届けてください。

そして、たくさん愛されるルアーになりますように。

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