日中はとても暖かくて過ごしやすい季節になってきた。
水温こそまだまだ冷たいけれど、気温が少し高くなってきて春が近づいてきたなぁ…という感じがする。
しかし…海の中はまだまだ春は遠い。
だから私はしまなみの楽しい春が待ち遠しい。
今は生命感をあまり感じない海に毎日通い、試行錯誤しながら一匹を探している感じ。
ボウズの日は当たり前にあり、実際にこの数日は魚の反応すらない。
というか、反応をとれていない。
でもまぁ、これはこれで私はそんな状況がすこぶる楽しい。
一から十まで自分で動き自分で考え辿り着く一匹は至高。
釣れない日々があるから釣り人は悩み考えるし、一匹の魚に震える程に高揚したりする。
今回もまたそんな高揚する魚に触れた釣行記。
巻きの緩急
最近は潮位的なタイミングよりも、光量が少ないマズメが絡む時間的なタイミングを大切にしている。
今のメインベイトであるサヨリにしてもイカナゴにしても、マズメ時に丘へ寄ってくる事が多いからだ。
そして、ベイトが丘へ寄ってくるそのタイミングを知ってる鱸や真鯛などの捕食者は浅瀬で待ち伏せしていると考えている。
そのベイトと捕食者が対峙するマズメの時間。
その瞬間に始まる捕食のタイミングに、自分もしっかり対峙して、しっかりルアーを水に入れている事が今の釣りの鍵。
だからマズメ前にポイントへ入り、その日その時のベイト状況や潮位を加味して、彼らと対峙する為の立ち位置を決めておく事が重要。
もちろんランガンスタイルでもいいのだけど、短いジアイで右往左往するより見立てた場所で待ち伏せする方がサヨリパターンは釣りやすい。
この日は15時に本業を終えて少し家事を済まして、16時過ぎにエントリー。
ジアイとなるマズメは18時くらいから30分くらい。
約2時間の余裕があるから、ベイトを探し立ち位置を選ぶ作業がやりやすい。
大まかなエリアを決めて、あちこち撃ちながら状況を見ていく。
常に周りを見渡しながら、キョロキョロと忙しなく首を動かす。
歩いては投げながら見渡し、また歩いては投げながら見渡し。
1時間程たった頃にはベイトの雰囲気がある場所を見つけ、立ち位置も決めた。
あとはひたすらに投げ続けてそのタイミングを待つ。
そしてそのタイミング。
ただなかなか反応がない。
投げるルアーもポイントも決まっているし、合っていると思うが反応がない。
「あと足りない何か…」
サヨリパターンあるあるの巻きスピードの緩急。
というより、急な加速がバイトを呼ぶ事がある。
着水後に中距離あたりまでゆっくり目に巻いて、急にリトリーブスピードを上げると…
ドスン!
いいサイズの鱸。
釣れたじゃなくて、釣った一匹は至高。
釣れない日々があっただけに、なんだかいつもより満たされた幸せな釣りとなった。