もともと私には釣り業界を盛り上げようだとか、新規参入を狙っていこうだとか…
そんな考えは全くない。
今も昔も釣り人としてずっと根本にあるのは何も変わっていない。
「ただただ自分の為だけに釣りを頑張った結果、それがもし…もし誰かの為になったのならそれはそれで幸せ。」
ただそれだけ。
遊びであり、仕事であり、一つの人生であり人格を創る釣りを自分の為でなく誰の為にやれるのか。
どう考えたって全ては自分の為。
自分の為にしかできる訳がない。
でも、実はそれが少しずつ変化してきた。
もちろん根本は何も変わってはいない。
変わってはいないのだけど、誰かの為に頑張りたいって事について少し理解ができた気がした。
そのキッカケとなったのは自身のアパレル販売と大阪FS。
この二つの経験をした事で、今までは【自分の温度】を一方的に放つだけだった私が【人の温度】を身をもって感じる事ができた。
人の温度…もとい応援してくださる方々の熱量に直に触れた事でなんだろう…うまく言えないけど、その方々との関わりがリアルになった。
すると自然と生まれてきた感覚。
それが「こんなに応援してくださる方々の為にも、頑張るべきだし頑張らせてもらいたい」という願望。
あまり美化するような事は言いたくないし、この感覚にまだ慣れていなくて何だか取り繕った綺麗事みたいで鳥肌が立つが…
なんだろうな…
「あ、オレ…マジしっかりしよ!」
となったというか。
それから少しづつだけれど、ユーザーの方と交流が増えてきた。
以前は全くなかった事。
0が1か2になったのだから、これは大きな変化だと思っている。
ある方が言うには、人を寄せ付けないオーラが少しだけ減ったらしい。笑
肝心なのは少しだけって所らしいが。笑
もともと私は閉鎖的なフィールドで閉鎖的な釣りをしている。
これはもう釣りのスタイルがそう。
全ては【自分だけの魚】に触れたいが一心だと思ってはいるが、そのスタイルがとことんまで突き抜けているからいつも孤独。
好き好んで孤独でいる。
それが背景にあるから、人を寄せ付けないオーラが出てると思っている。
ただ、こればっかりは仕方ない。
このスタイルもまた変わる事はない。
でも、ちょっと変わってきた。
今回はそんな出来事。
「寺岡君の真鯛見てまた釣り初めました」
そんな方と釣りに行ってきた訳で。
まぁもともと知人ではあるのだけど、シーバスタックルを揃えて安全装備も整えて…都度そんな報告をくれる方。
ただ通えど通えど真鯛どころか魚が釣れない。
だから、通う自信が無くなりかけているし自分がやってる事が正解かもわからない。
そんな気持ち…わからなくもない。
そんな時…あったかもしれない。
ただの気まぐれだったかもしれないけれど言ってみた。
「一緒にそこに行きましょう」
そう声をかけた日の夕方には一緒に地磯へ。
ホームから離れたポイントで、私は初場所。
辺りを見渡し、Google earthで俯瞰する。
水面の気配を感じにいき、潮の流れを感じにいく。
食うポイントを見立てて、そこにルアーを似合わせにいく。
すると…
実際に真鯛を見ると俄然やる気が湧いてきたらしく、まだまだ通うと意気込みを聞かせてもらった。
また人の熱量に触れ応援したくなったある日の釣り。