いい魚だった

釣行記録

本業を終えて帰宅後、飛び出すように家を出て地磯へ向けて車を走らせた。

車に詰め込んだのはいつも通りのタックルと、いつも通りの機材やギア。

短い短い夕まずめのジアイをモノにするため慌てず急いでポイントへむかう。

「なにがなんでも今日こそは釣りたい!」

そんな気持ちが前へ前へ出てくるから、自分のはやる気持ちを抑えきれない。

というのも、先月の末に行ったロケで真鯛を釣ってからはまともに魚を釣っていない。

もちろん地磯へは足繁く通ってはいたのだけど、なんというか…流石は鬼門の夏といったところだ。

先月まではベイトとしてサヨリがそれなりにいたのだけど、ある程度サヨリが成長し遊泳力がついたからか…もしくは水温の影響なのか私のホームからはサヨリが突如として消えた。

というより、ショアラインにいないだけで沖にはわんさかいる状況。

こんな時は1発強めの風が数日吹けばサヨリと一緒にチャンスも寄ってくるのだけど…

まぁ…吹いてほしい時には吹かないものである。

「さぁ厳しいシーズンをどうする?」

なんて考えながら、毎日立ち回りやアプローチに頭を抱える…

そうやって毎日にように地磯へ通いつつも、隙間でブラックバスに癒されたり…

教習所に通ってみたり…

そんな毎日を過ごしていると…

気づいたらある日突然に軽いギックリ腰になっていた。

慢性的に痛かった腰が気づいたら急に悪化したような感覚で、どのタイミングでとかはあまり覚えていない。

「なんか気づいたら起き上がれなくなってた」

こんな感じ。

ただギックリ腰なら1週間もすれば良くなるはず。

かれこれ2週間以上はたつのに痛みはまだあるし、横腹あたりも痛くなってきたから若干ギックリのとは違う気もしている。

まぁそんな状態も今は少し落ち着いて、痛みに耐えながらも地磯を歩くくらいはできるようになった。

そんな今回の釣り。

結論から言うと、勝負はすごく早かった。

エントリーしたのは潮止まり前の本流エリア。

水深は深い所で15m程、1番潮が流れるタイミングでは8ノットは飛ぶであろう超ド本流。

ちなみに1ノットは1秒間に約60cm潮が流れるという。

8ノットとなれば、着水したルアーが1秒後には約5m流れてる事になる。

まさに激流。

そんな激流も潮止まり前となれば、当たり前に流れは弱くなる。

轟音響く海峡の流れが川のせせらぎのごとく落ち着くようなタイミング。

そんなタイミングはジアイになる事が多い。

更に今日は夕まずめという良いタイミング。

釣れる要素がいくつか重なるベストタイミングだった。

だから意気揚々と家を飛び出し急いで地磯に立った訳である。

何とか見立てたジアイに間に合い、早速釣りを始めた。

予想通り潮は落ち着いて流れが弱くなっていた。

ブローウィン140Sを流し巻くにはちょっと流れが弱い。

そんな時はスカーナッシュ140Fをよく投げている。

ブローウィン140Sとスカーナッシュ140Fはレンジ的にも棲み分けが出来ているのは当然だけど、流れの強さによる棲み分けもしっかり出来ている。

強い流れはブローウィン140S。

それよりちょっと弱い流れはスカーナッシュ140F。

そんな感じで、釣り開始2投目の事。

スカーナッシュ140Fを流し巻く手を弾くように止める強烈なバイト。

ミッドナイトモンスター982SRが水面に突き刺ささるように曲げ込んでくる力。

「真鯛や!」

近くには切り立った岩盤や大きな大きなシモリがある。

そして本流が向かう先にある小さな岬。

どう考えても1mmも糸は出せない。

さらに流れが弱いといっても本流。

魚の重量感を流れが増幅させる。

不思議と本流でかけた魚は本流の流れにのって突っ切ろうとする。

本流の先には小さい岬…

走らせてそこを超えられると確実に糸は切られる。

ドラグはフルロック。

腕で耐えて竿を曲げてリールを巻いてを繰り返す。

張り詰めたPEラインが潮を切り裂いてキーン…と音をたて、曲がりこんだミッドナイトモンスターのリールシートが緩む。

それでも耐えて寄せていくと何とか本流から引き剥がし、地形的な難所も超えた。

観念したのか浮いてきたのは何とも美しい良型の真鯛だった。

ランディングしてみるとビックリ。

センターのスプリットリングを引きちぎりフックだけが口の中に残っていた。

それでもスカーナッシュのアイは曲がる事はなかったし、ルアーボディも耐えた。

フックも純正が3番という事もありしっかり耐えた。

竿も曲げに曲げたがしっかり耐えたし、糸もしっかり耐えた。

本流の大型魚をシーバスタックルでキャッチするのは運的要素もあるが、安心して挑めるこのタックルが私は好きだ。

そしてプロト段階からたくさんの真鯛を獲ってきたスカーナッシュ140F。

クリックが入って浸水したのは一度きり。

ミノーを噛み砕く事もある真鯛の力を耐える強度は、地磯で活躍するリップレスミノーとしてアドバンテージ。

よく飛びよく釣れ壊れにくいスカーナッシュ140Fが私は好きだ。

しかし、スカーナッシュは本当に真鯛がよく釣れる。

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